最終更新日 2024年4月2日

2015年にはパリ協定が採択されましたが、これ以降再生可能エネルギーの普及が急速に広まるようになりました。
このような中で注目されているものの一つに、洋上風力発電と呼ばれるものがあります。
風力発電は聞いたことがあるけれども、洋上とはどのような仕組みなのかわからないという人も多いかもしれません。
どのような仕組みがあるのか、またメリットについてしっかりと把握しておくことが大切です。

Influx社も注目!風力発電のメリットと課題

風力発電は地球に優しい発電方法

そもそも風力発電は風車が回っているイメージが多いかもしれませんが、温室効果ガスを発生することのない、地球に優しい発電方法として、多くの国々で導入が増加傾向にあります。
世界的にみても設備の容量が増加傾向にあり、発電市場において2番目に多い成長幅とされています。
風力発電が今後電力市場拡大の重要な要素になることは間違いないでしょう。
再生可能エネルギーとして有名なものの一つに太陽光発電がありますが、太陽光発電のデメリットにあげられることは、夜の時間帯には太陽光がないため発電することができないという点が挙げられます。
風力発電の場合には、太陽光発電とは異なり、風が吹いていれば昼夜を問わず発電することができる点が大きなメリットです。
とはいえ現在主流となっている陸上に設置するものの場合には、羽を回すことができるだけの風が確保できる場所が限定的になっていて、装置を稼働させるときに発生する騒音トラブルが課題になっていました。

洋上風力発電とは

そこで注目され始めたものが洋上風力発電と呼ばれるものです。
海洋上に発電設備をつくるもので、海の上に設置されている風車を風の力で回転させて発電させます。
洋上に風力発電を設置することには大きなメリットがあり、その一つが、陸上と比べた場合には、大きな風力を持続的に得られることです。
このようなことから大きな電力供給が安定的に可能になります。
そして洋上であるため、騒音や人的被害のリスクもそれほど心配する必要はありません。
設置する場所の確保もしやすく、このようなメリットから、洋上化の動きが現在ではかなり活発化しています。
ヨーロッパ諸国でも、風力発電に力を入れている傾向があり、毎年約10%ほど拡大傾向にあります。

イギリスでは1996年から洋上風力発電を導入することに積極的

その中でも注目したいものとして、ヨーロッパ主要国のうち風力発電供給量の増加率が高まっているイギリスです。
イギリスでは急激に発電供給量を伸ばしていますが、その背景に洋上かがあるのです。
イギリスでは1996年から洋上風力発電を導入することに積極的です。
現在に至るため洋上風力のグローバルリーダーとしても君臨していると言えるでしょう。
2016年には127億ユーロを風力発電に投資し、これは全ヨーロッパの風力発電投資金額の50%近くにあたります。
イギリスは国内供給電力の15%を再生可能エネルギーで発電していて、その多くを洋上風力で賄っていて、その勢いをさらに加速させています。

イギリスが洋上化を急速に拡大している理由

イギリスがなぜこんなにも洋上化を急速に拡大しているのかと言うと、それには三つの特徴があります。

国土の面積が狭い

一つは国土の面積が狭いことです。
イギリスの国土面積は日本よりも狭く、それに加えて人口密度がかなり高い国となっています。
陸上風力発電を導入することができる土地は物理的に少なかったので、海の上に設置しようという考えが浮かんだのです。

長い海岸線

そして長い海岸線も特徴にあげられるでしょう。
イギリスは四方を海で囲まれているので、長い海岸線があります。
これによって経済水域が広くなって、洋上風力を設置する場所が確保しやすくなっているのです。

遠浅の海

そして遠浅の海にであることも特徴のひとつと言えるでしょう。
海上に発電装置を設置しなければならないため、陸上よりもしっかりと基板を設置しなければなりません。
イギリスは遠浅の海が広がっているため、海底に直接装置を設置することができ、波や風の影響を与えることができるのです。
このような理由から、イギリスは世界的に見ても一番洋上風力に適していると言われていて、ヨーロッパ以外の製造メーカーからも注目を集めています。

日本は洋上風力発電に向いているのか?

このようにイギリスが洋上風力発電の世界最大の市場であることがわかりましたが、その一方で日本も島国であり海岸線が長く、国土の面積が狭いという特徴があり、これはイギリスと共通していることがわかります。
日本も比較的向いている環境にあるのではないかと思うかもしれませんが、イギリスとの決定的な違いがあります。
それは日本を囲む海です。
現在イギリスを始めとしたヨーロッパで使われているものは着床式と呼ばれる装置ですが、これは水深50メートルよりも浅い海域に適用されるのです。
しかし日本の海域の場合には、この条件を満たす場所は限定されてしまっているのです。
このようなことから浮体式と呼ばれる装置の研究が日本で進められています。

まとめ

船舶のような構造物を建設して海底に固定したアンカーにつないで止める装置です。
世界的に見ても新しい技術にあたり、実用化に向け日本で研究が加速化しています。
近い未来、数を多く取り入れられることが期待されます。

Influx洋上風力発電