最終更新日 2024年4月2日

「そもそも神社って何のために存在しているの?」
「神社本庁の存在意義について知りたい」
「神社のしきたりや文化について興味がある」

神社は日本にとって馴染み深いもので、初詣やお参といった行事で訪れる人が多い施設となっています。
産土神、天神、皇室や氏族の祖や偉人などが神として祭られているのが神社です。
文部科学省の資料によれば日本全国に約8万5千ほど存在し、登録されていないものも含めるとその数は10万程度になるとも言われています。

日本固有の宗教である神道の祭祀施設とされている神社

そのような神社は日本固有の宗教である神道の祭祀施設とされていますが、その位置づけは時の政治状況との関連もあるなどで一定していないというのも日本ならではの特徴と言えるでしょう。
近世においては仏教の施設となったものや陰陽道の影響かにあるものもありましたが、他の宗教から完全に独立した神道のタイプも存在しました。
近代になると国家神道の軸として建前上は分離された経緯がありますが、その位置づけは現代でも議論の的になっています。
特に偉人など実際に存在した人を祀るタイプのものでは、そこに時の政治家など著名人が参拝をすると政治色が強くなるという側面もあるのが特徴です。
そういった点で最も有名なのは靖国神社でしょう。
いわゆる過去の争いで亡くなった人を著名か否かを関係なく祀っているため、純粋な神道におけるものとは少し毛色が違います。

本庁との被包括関係を有していない神社も多い

現代においてもそのありかたは様々で、神社本庁との被包括関係を有せず、単一宗教法人として運営されている場合も多々あります。
大きな単一式は約2000、宗教法人格を有さない小さなものも含めると全国で20万の単立方式の社が運営されているため、一概に一くくりにできないのが特徴です。
また、東大阪市のように宗教法人格を有している社に限っても半数以上が本庁に属していないという特殊な事例と地域もある点が、本来の社としての形を不明瞭なものにしている要因とも言えるでしょう。
そういった社の祭祀対象は基本的に神道の神であり、いわゆる八百万の神と言われるように非常に多彩なものとなっています。
八百万といっても神の数が800万という意味ではなく、数えきれないほど存在するという意味で八百万というかたちで使用されているため、その信仰対象は無制限とも言えるでしょう。
神聖とされた山や河川、湖畔などから日本古来の神に属さない民族神、実在する人物や伝説上の偉人、または仏教の一部の仏神などの外来の神も含まれる点が非常に独特な文化を形成しているのが特徴です。
古くは社がなくても山や巨木などそのものを信仰していた現れとも言われています。

神社の名称の付け方も様々

神社の名称の付け方も様々で、最も一般的なのは地名によるものでしょう。
他にも祭神名を冠する例も多く、氏族の名前を有しているものも多々あります。
または祭神に関連する語句からくるものや、種別そのものを表すもの、座数によるものなどがあるでしょう。
さらに由来が不詳であるというケースも少なくなく、何らかの地名や過去の現象などからとったものとされる反面確実性に乏しい場合も多くあります。
近代においては終戦までいわば国家の施設であり、法令上の規則により社と認められるのに設備や財産などの条件があったのも特徴のひとつです。
もちろん、その当時はそれらの条件が整わなければ正式に社とは認められませんでした。
その一方で、認められていなくとも地元の祭事の中心となったり、変わらずお参りの対象になったりした社は非常に多いとされています。
社号においては、近世まで固有名の部分を除いたものに特別な基準は設けられておらず、ひとつの社が状況によって異なる呼ばれ方をすることもありました。
明治時代に国家の管理下に入ると、公認されたもののみが認められ、大社などを名乗るには勅許などが必要不可欠だった過去もあります。

鳥居の内の区域一帯を神霊が鎮まる神域とみなしている

鳥居の内の区域一帯を、神霊が鎮まる神域とみなしているのが神社の特徴です。
まわりには鎮守の柱という森林があることが多く、たいていの大きな社が森林に囲まれているのはそのためとなっています。
御神木といわれる木には、注連縄を結ばれていることもあり、目にする人も多いでしょう。
入口には境内と俗界の境を示す鳥居があり、社殿まで参道が通じるのはほとんど共通です。
参道のそばには身を清める手水舎、境内を管理する社務所などがあるのが一般的な設備でしょう。
大きな地域では神池や神橋も見られ、一部では厳かな観光スポットにもなっています。
参道にある灯篭や常夜灯はもともとは仏教寺院の文化であり、平安時代以降取り入れた文化のひとつとされているのも特徴のひとつです。
玉砂利は魂、御霊そして美しいという意味を持っており、砂利そのものはその場を清めるという意味が込められています。
敷くことによってその場所を清めるのが伝統的な目的で、その玉砂利を踏みしめることによって身も心も清めつつ祈りを捧げるという役割もあるため、意識しておきましょう。

まとめ

このように社はさまざまな意味合いや文化、名称の違いなどがありますが、多くの人が祈りの対象としている大切な施設です。